鹿児島県奄美地域の皆さまが安心して暮らせ、心の支えとなる病院を目指します。

腎臓内科

更新日 2020.05.12

診療科のご紹介

 腎臓内科では主に急性腎障害(AKI)、慢性腎臓病(CKD)、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎などを診療しています。
 高齢化を背景に生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)による末期腎不全、透析患者数は年々増加しており(2017年末で334,505人)、透析導入時の年齢は男性75-79歳、女性80-84歳が最多となっています。CKDが重症化するにつれ、脳・心血管障害のリスクが高くなることが報告されており、透析導入時点で脳・心血管に高度の動脈硬化を認めるケースも多く見受けられます。
 鹿児島県は人口比の透析患者数は全国で6番目に多く(2017年末時点)、鹿児島市CKD予防ネットワークプロジェクトをはじめ、各地域毎にCKD重症化予防対策が行われています。沈黙の臓器と呼ばれる肝臓と同様に、無症状のまま腎機能が低下していることも多く、病院を受診してから短期間で透析導入となる方も珍しくはありません。検査を受けないことには分かりませんので、健診やかかりつけ医での定期的な血液検査(腎機能(eGFR)評価)、検尿による腎炎のスクリーニングは重要です。CKD重症化予防対策の一環として、健診でeGFR低下や検尿異常を認めた方には保健指導において、登録医や腎臓内科への受診が勧められています。当科では主に血液検査、検尿、エコーを実施し、症例に応じて腹部CT、栄養指導、随時尿での塩分摂取量評価などを行っています。腎機能障害の原因としては、腎臓が萎縮した腎硬化症が多くみられますが、慢性糸球体腎炎や間質性腎炎などが疑われる方には、腎生検を行い、必要時には大学病院と連携して治療を行っています。腎臓の炎症・線維化が進んでしまうと、治療を行っても腎機能が改善しないこともあります。急に腎機能が悪化した場合や、経年的な腎機能低下が速い方には、早めの検査が勧められます。
 テレビやマスコミにより一般の方々にも少しずつ慢性腎臓病(CKD)やeGFRという言葉が普及しており、腎臓に対する関心が高まりつつありますが、自分自身の腎機能(eGFR)や経年的な変化を把握されていない方も多くおられます。加齢による腎機能低下もありますので、過度に心配する必要はありませんが、まずは自身の腎機能を知ってもらい、経時的に腎機能低下を認める場合には、当科にご相談頂ければと思います。

jinnzounaikanoyakuwari

スタッフのご紹介

 

氏名 阿部 正治
役職 部長
所属学会 日本内科学会
日本腎臓学会
日本透析医学会
日本産業衛生学会
認定医・専門医 日本内科学会 認定内科医
日本内科学会 総合内科専門医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日医 認定産業医