当院は大正13年県立鹿児島病院精神科分院として設立され,昭和6年に独立して県立鹿児島保養院となり,平成4年に県立姶良病院と改称しました。
県下で唯一の公立単科精神科病院として,平成16年6月より精神科救急情報センター設置,平成22年7月には,触法精神障害者に対応するため,医療観察法病棟の開棟,さらに平成25年4月に精神科救急病棟を開棟し,急性期精神科医療へ積極的に対応する一方,重度かつ慢性の入院患者さんの地域移行・地域定着のため,リハビリ活動・デイケア・訪問看護の充実に努めています。また,教育・研修機関として,鹿児島大学医学部学生や看護学校等各種学校の学生の臨床研修病院でもあります。
平成16年度から始まった新医師臨床研修制度では鹿児島大学医学部・歯学部附属病院,鹿児島市立病院及び県立病院群の協力型研修病院で,年間約20人の研修医を受け入れています。また,平成29年10月に日本専門医機構による精神科専門医研修プログラムの承認を受け,精神科専攻医の研修を行っています。
平成16年10月23日に発生した中越地震では各班8日間で合計4班の「こころのケアチーム」,平成23年3月11日に発生した東日本大震災では各班7日間で合計14班の「こころのケアチーム」,平成28年4月1日に発生した熊本地震では各班4日間で合計11班のDPAT(災害派遣精神医療チーム)を派遣するなど災害時精神科医療にも取り組み,平成30年2月鹿児島県DPAT登録病院に指定されました。
当院の理念は,玄関前の石碑に示す「安らぎと幸せを」で,これはドイツのローテンブルグにあるシュピタールバスタイ門の礎石にある「この門より歩み入る者に安らぎを、去りゆく人に幸せを」から引用したもので,精神科医療も斯くありたいという職員の思いが込められています。
当院は県立病院として,県立病院事業第三次中期事業計画「公立病院経営強化プラン」(令和5年~令和9年)に基づき,今後も公共性と経済性を両立させながら,鹿児島県の精神科医療の基幹病院として,高度・専門的な精神科医療を提供していきたいと考えています。
院長