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放射線部

放射線に関する豆知識

放射線の単位

医療被ばくで用いる放射線の量を表す単位には、主に2種類あります。

  1. 吸収線量といい、人体にどれだけの放射線が吸収されたかを表す単位で「Gy」(グレイ)
  2. 放射線による人体への影響を評価するための単位で等価線量といい「Sv」(シーベルト)

一般的には人体の各組織・臓器の個別の影響を評価する場合にはGy単位を、全身の評価及び自然放射線や放射線以外のリスクとの比較を行う場合にはSv単位を用いています。

GyとSvの関係は・・・

等価線量(Sv)=吸収線量(Gy)×放射線荷重係数 で表されます。

エックス線の場合、放射線荷重係数が1のため、Sv=Gyとなります。

詳しい計算方法を見る

医療被ばくによる放射線の線量

放射線を使った検査により受けた被ばく線量のレベルに応じた影響を以下の3つのレベルに分けて説明します。

03-2_pic01 小なり大なり レベル2:被ばく線量50~200mGy 小なり大なり レベル3:被ばく線量200mGy超
【レベル1】~50mGy
50mGy未満の被ばく線量では、ほとんど組織・臓器において問題となる身体的影響が発生することは無いと予想されます。1回の検査で50mGyを超える可能性があるのは、注腸等の透視下の造影検査、血管造影検査、心臓カテーテル検査等です。確定的影響について、最も放射線の感受性が高いのは、妊娠初期の胎児への影響であり、しきい線量は100mGyです。
従って100mGy未満では、確定的影響を心配する必要はないと考えられます。
  【レベル2】50~200mGy
この線量域において問題となるのは、妊娠初期(受精~8週)の女性の生殖腺被ばくです。生殖腺に100mGyを超えて被ばくした場合は、胎児への影響が問題となるので、産婦人科の医師等と相談する必要があります。その他の場合は特に問題はありませんが、短期間に多くの検査を行う場合は、全ての検査の線量を考慮する必要はあります。
  【レベル3】200mGy~
被ばくレベルとしてはかなり高いので、身体的影響の出現に注意する必要があります。
レベル3(200mGy超)という線量は、一部の検査を除いてこのレベルまで被ばくすることはそうあるものではなく、比較的高いレベル
と位置づけています。

 


放射線を使った検査には、被ばくというリスクが少なからず伴ないますが、検査はリスクを上回る利益があってこそ実施されています。問題はこの医療被ばくのリスクを過大評価するのではなく、かといって軽視することなく正しく理解する必要があります。私たちは,放射線を管理する立場で「医療被ばくの低減」に大きな重点を置き、日々取り組んでいます。

専門的な放射線の単位

物質や人体に対する影響を評価するために、照射線量、吸収線量及び等価線量の3種類の線量とその単位が定義されています。これらの名称及び単位について少し専門的になりますが紹介します。

照射線量(単位:C/kg) クーロンパーキログラム ある場所のγ(ガンマ)線あるいはX(エックス)線により、空気1kg中に電離作用によってどれだけの電気量(クーロン)を生じたかによって表わされるものが、照射線量です。古くから使われていたのはR(レントゲン)です。1R(レントゲン)は、1kgの空気について、2.58×10-4 クーロンの電気量に相当します。
吸収線量(単位:Gy)
グレイ
電離放射線によって、物質の単位質量当たりに吸収されたエネルギーを吸収線量といいGy(グレイ)を用います。Gy(グレイ)を別の単位で表しますとJ/kg(ジュール/キログラム)です。1グレイは物質1kg中に1ジュールのエネルギーの吸収があるときの吸収線量です。
Gy(グレイ)と旧単位のrad(ラド)の関係は、
1Gy=100rad
1Gy=1J/kg(ジュール/キログラム)
等価線量(単位:Sv)
シーベルト
照射を受けた放射線の種類に関係なく、人体に現れる放射線の影響を考慮した線量として等価線量が設定されました。等価線量は放射線防護の目的にだけ用いられます。
等価線量と吸収線量の関係は次の式で表されます。

等価線量(Sv)=吸収線量(Gy)×放射線荷重係数

実効線量(単位:Sv) シーベルト 人体が放射線の照射を受けた場合、放射線の影響の現れ方は人体の組織によって異なりますが、人体が受けた影響の度合いを考えて線量を表したのを実効線量といいます。
実効線量を求めるには、放射線の照射を受けた各組織の等価線量に、その臓器・組織の放射線感受性を表す組織荷重係数(ωT)を掛けて、その値を合算して求めます。

実効線量を求める式

確率的影響臓器・組織(T)リスク係数組織荷重係数(ωT)
遺伝的影響 生殖腺 40×10-4/Gy 0.25
白血病 赤色骨髄 20×10-4/Gy 0.12
肺がん 20×10-4/Gy 0.12
乳がん 乳房 25×10-4/Gy 0.12
甲状腺がん 甲状腺 5×10-4/Gy 0.03
骨がん 骨表面 5×10-4/Gy 0.03
その他がん その他 50×10-4/Gy 0.30※

※線量の大きい順に五つの臓器・組織をとって、それぞれに0.06の値を適用する。その場合、消化器については大腸上部、大腸下部、胃、小腸を別々の臓器とみなす。

放射線の種類

電磁放射線 エックス線、ガンマ線
電気をもった粒子線 ベーター線、アルファ線、電子線、陽子線、重陽子線、種々の重イオンや中間子線
電気をもたない粒子線 中性子線

放射線と放射能の関係を電灯と光線の関係でたとえてみると、放射線は、電灯からの光線に相当し、放射能は、電灯がもっている光線を出す能力に相当します。

電灯が20ワットと100ワットでは,明るさが違いますネ !!

 

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