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東洋医学の考え方について

 日本の医療体系は西洋医学が主流ですが,東洋医学の有用性も広く認識されているため,約150種類の漢方製剤と約200種類の生薬を用いた診療が医療保険上認められています。

 西洋医学においては。心臓,肝臓及び大腸等の臓器が知られていますが,東洋医学においては人体の働きを5つに分類し,それぞれ「肝」「心」「脾」「肺」「腎」と呼びます。また,これらをまとめて「五臓」と呼びます。「五臓六腑に染み渡る」の五臓と同じです。ただし,江戸時代に西洋医学が日本に入ってきた際に臓器の名称を五臓に便宜的に当てはめたため,例えば西洋医学の「肝臓」と東洋医学の「肝」は概念が異なります。今回は,東洋医学における「五臓」の働きをご紹介したいと思います。

 

    • 肝:精神を安定させ,新陳代謝を行い,全身に栄養を供給する。
    • 心:意識を保ち,覚醒・睡眠のリズムを調整し,血を循環させる。
    • 脾:消化吸収を行い,血を生成し,皮膚の機能を制御する。
    • 腎:成長・発育・生殖を制御し,骨の形成・維持を行い,思考力等の維持を行う。

 

 五臓はお互いに関連し合っています。具体的には,「肝→心→脾→肺→腎→肝・・・」(図1)の様にお互いの働きを促進する。これを「相生」と呼びます。また,「肝→脾→腎→心→肺→肝・・・」(図2)の様にお互いの働きを抑制する。これを「相克」と呼びます。

 非科学的で根拠のない理論の様にも思えますが,皆様はストレス等でイライラして眠れなかったり食欲が落ちたりすることはありませんか?東洋医学では,「肝」=精神が昂ぶることで「心」=意識の働きが促進されて,睡眠が妨げられ,「肝」=精神が昂ぶることで「脾」=消化器の働きが抑制されて食欲が落ちると捉え,それぞれ「肝生心」「肝克脾」と呼びます。

 この様に,西洋医学と東洋医学は物事の捉え方が大きく異なります。近年では西洋医学と東洋医学の双方の利点を生かしてそれぞれの患者さんに最も適した医療を提供することが標準的となりつつあり,薬剤師も患者さんの体質判断やより患者さんの体質にあった漢方薬の提案等を通じて東洋医学への貢献が必要とされています。

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