「医学教育において当院が果たす役割」
県立大島病院では、医学教育、とくに地域医療の理解と実践を基盤とした医療人の育成に力を入れています。 卒前教育では、鹿児島大学や自治医科大学、そして神戸大学などの地域医療実習や病院見学を受け入れており、毎年多くの医学生に現場に即した地域医療教育を行っています。当院の各診療科での実習に加えて、近隣医療機関のご協力を頂き、瀬戸内町へき地診療所など他施設での実習も可能であり、より広く奄美大島の特性や地域の医療を学べる環境を整備しています。 卒後教育では、当院が鹿児島県立病院群初期臨床研修プログラムの基幹型病院であることから、とくに初期臨床研修医の育成に重点を置いた取組みを続けています。そして、定期的な面談などを通じて、鹿児島大学地域枠卒業医師、自治医科大学卒業医師の研修修了以降のキャリアパス設計の支援も行っています。また、専門医の取得におきましても、当院は鹿児島大学などの基幹施設の連携施設となっておりますので、内科、外科、産婦人科、小児科、救急科、そして、総合診療科などの専攻医研修が可能となっております。 奄美における将来的な地域医療の質の向上や、持続可能な医療体制の構築に資するよう、多職種の医療人育成の拠点としての役割を果たし、奄美の皆様のご協力を頂きながら医療人の育成に励みますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 臨床研修センター長 森田 喜紀
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「臨床研修センターの施設紹介」
鹿児島県立大島病院では、「救命救急センター棟」の4階から6階に「臨床研修センター」を設置しています。この臨床研修センターでは、研修医や看護師等の医療従事者及び、将来医療に従事することを目指している医学生や看護学生等に対して、学習、研修、訓練等の機会を提供し、群島の医療を担う医療人の育成を目的としています。
4階の研修ホールでは、講演会の開催、技能トレーニングやシミュレーション研修だけではなく、グループ等での学習の場としても活用いただけます。また、5階と6階には宿泊室を設けており、遠方からの研修にも対応できる施設になっています。
副院長 満 純孝
臨床研修センター長(総合内科部長) 森田 喜紀
1.初期臨床研修に関する取組
鹿児島県立大島病院では初期臨床研修を充実させるため,以下のような取組みを行っています。
1) 臨床研修医スタートアップ研修
臨床研修を開始するにあたり,医療安全や感染対策など医師としての基本的な知識や態度を学びます。
2) 研修医ミーティング:毎週水曜日・木曜日の17時より以下のレクチャーなどを実施しています。
1.診療レクチャー
各診療科や各部門(看護部や薬剤部など)による診療に役立つ実践的なレクチャー。
2.研修医ケースカンファレンス
研修医が担当した症例を提示,診断・治療の経過などを共有し臨床の考え方を学びます。
3.研修医抄読会
研修医が興味を持った英論文などを発表し、論文の読み方を学んだり、知識の共有を行います。
4.各種トレーニング
縫合練習やCV挿入の実技的な演習を行います。
3)奄美大島や県内の連携した研修サポート
1.医師会合同カンファレンス
2か月に1回、当院で医師会と合同のカンファレンスを行っています。
2.奄美GIMカンファレンス
奄美大島の4病院共催で若手医師を中心としたケースカンファレンスを年に3回開催しています。
3.県立病院学会
1年に1回開催されており、研修医の先生方も症例報告などを行います
4.県立病院合同研修会・鹿児島県臨床研修医合同研修会
研修医が一同に会し、実技的なトレーニングや症例報告などが行われます。
4) 研修医に対する多職種による評価
診療科毎に、研修医に対する多職種評価を行います。評価後、研修医との面談を通じて研修の振り返りを行います。
5) 臨床研修管理委員
病院全体で研修体制の充実に向けて取り組めるよう、臨床研修に関する課題の検討や臨床研修に関する情報を共有するために設置しています。
6) 研修医のキャリア支援
初期臨床研修に関することに加えて、専門医制度や初期臨床研修終了後のキャリアなどに関しても情報提供や面談などによる支援を行っています。
2.施設の概要
4階
研修室1 | 面積約10㎡(収容人員4~5名程度) |
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研修室2(研修ホール) | 面積約229㎡(収容人員約120名)(※区切っての使用も可) |
医療情報収集センター | 面積約13㎡(3名程度) |
※机、椅子、演台を設置
5階、6階
宿泊室 | 各階10室(合計20室) 面積約13㎡ バス、トイレ、ベッド、テレビ、ミニキッチン |
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団らん室 | 面積約18㎡(各階1室) |
臨床研修センター長室 | 面積約19㎡(5階) |
研修室・学習室 | 面積約19㎡(6階) |
※各階に共同利用のwi-fi洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、5階に電子レンジを設置
3.技能トレーニング等器材
品名(メーカー) | 個数 | 用途 |
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SimMam3G (レールダル) |
1 | 各種の症例に応じた症状を再現出来る完全ワイヤレスの次世代患者シミュレータで、適正な治療・処置のトレーニング器材 |
レサシアンシミュレータ (レールダル) |
4 | 気道確保、除細動、経皮ペーシング等の蘇生関連処置等のトレーニング器材 |
ALSベビー200セット (レールダル) |
4 | 3ヶ月の乳児を想定した、APLSに必要な気道確保、CPR、骨髄輸液、ECGモニタリングに関連するスキルトレーニング器材 |
気道管理トレーナー (レールダル) |
2 | 各種挿管・換気・吸引などの手技で、現実に発生しうる状況を再現できるトレーニング器材 |
輪状甲状靱帯穿刺・切開シミュレータ (レールダル) |
4 | 輪状甲状靱帯穿刺・切開トレーニング器材 |
DAMシミュレータトレーニングモデル (京都科学) |
1 | 頚部後屈困難・開口障害・舌肥大・咽頭痙攣などの気道確保困難症例を段階的に再現できるトレーニング器材 |
CVC穿刺挿入シミュレータⅡ (京都科学) |
2 | 安全で的確なエコーガイド下CVC穿刺挿入技術習得のためのトレーニング器材 |
大腸内視鏡トレーニングモデル (京都科学) |
1 | 難易度の異なる大腸の走行を自在に設定でき肛門が開閉するトレーニング器材 |
AEDハートスタートFR3 Pro ECGモデル (レールダル) |
1 | データベース内のAED症例をレビューできるトレーニング器材 |
4.使用対象者
医師、研修医、医学生、看護師、助産師、看護学生、救急・消防隊員等のほか、臨床研修センター長が認める方々です。
5.使用許可
使用対象者の所属、使用の目的、施設等の状況等を勘案して、臨床研修センター長が決定します。
6.使用申請
※施設、器材、宿泊室の利用は、予約が必要です。
※予約は、使用申請書を提出することにより行います。
- 使用対象者(上記3)に該当する場合は、まず下記の「お問い合わせ先」に電話連絡してください。
- 電話連絡の結果、当方の了解が得られたときは、下記の申請書をダウンロードし、必要事項を記入し「お問い合わせ先」にFAXしてください。
※インターネット環境がない場合は、その旨申し出てください。
7.使用に際しての注意事項
- 許可した方々のみ利用可能です。
- 許可以外の施設への立ち入りや、器材の使用はできません。
- 施設や機器等を破損したときは、速やかに総務課に連絡してください。
- 使用後は、使用前の状態に戻し、電気等は消して退室してください。
- 使用後は、「使用記録票(申請書)」に必要事項を記入し、総務課に提出してください。
- 器材を使用する研修には、原則として職員が立ち会います。
- 宿泊を希望される方は、「宿泊室利用のしおり」をご覧ください。
お問い合わせ先
鹿児島県立大島病院 総務課
代表電話番号:0997-52-3611(内線 3312・3313)
FAX:0997-53-9017
受付時間:9:00~17:00(休日・祝祭日を除く)