同じ作用、または異なる作用を持った2つ以上の成分を1つにした医薬品を「配合剤」と言います。複数の成分を組み合わせることにより、単一成分の薬よりも利便性や効果を高めたりすることができます。最近発売された主な内服の配合剤を挙げてみます。
1.血圧降下剤
(1)アンジオテンシンⅡ 受容体拮抗薬(ARB)+利尿薬
・・・ARBは血管を拡張し、利尿薬は循環血液量を少なくすることにより、血圧を下げます。
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エカード配合錠(カンデサルタンシ+ヒドロクロロチアジド)
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コディオ配合錠(バルサルタン+ヒドロクロロチアジド)
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プレミネント配合錠(ロサルタン+ヒドロクロロチアジド)
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ミコンビ配合錠(テルミサルタン+ヒドロクロロチアジド)
(2)アンジオテンシンⅡ 受容体拮抗薬(ARB)+カルシウム拮抗薬
・・・ARBとカルシウム拮抗薬、共に血管を拡張して血圧を下げます。
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エックスフォージ配合錠(バルサルタン+アムロジピン)
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ミカムロ配合錠(テルミサルタン+アムロジピン)
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ユニシア配合錠(カルデサルタン+アムロジピン)
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レザルタス配合錠LD(オルメサルタン+アゼルニジピン)
2.血圧・コレステロール降下薬
(1)カルシウム拮抗薬+スタチン系
・・・スタチン系は、コレステロールを合成する酵素の働きを妨害して、血中コレステロール値を下げます。
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カデュエット配合錠(アムロジピン+アトルバスタチン)
3.糖尿病用剤
(1)チアゾリジン系+ビグアナイド系
・・・チアゾリジン系は脂肪細胞の状態を調節することにより、ビグアナイド系は肝臓で糖を作る作用を抑え、末梢組織での糖取り込みを促進するなどにより、インスリンの効果を高め血糖を下げます。
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メタクト配合錠(ピオグリタゾン+メトホルミン)
(2)チアゾリジン系+スルホニル尿素系
・・・スルホニル尿素系は、インスリンの分泌を促進して血糖値を下げます。
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ソニアス配合錠(ピオグリタゾン+グリメピリド)
薬を何種類も飲むとき、包装から取り出すのは結構手間がかかり、個数の間違いや飲み忘れが起こりやすいものです。配合剤は、これらの間違いを少なくすることができます。
ただし、細かい分量の調整をしにくいのが欠点と言えます。今後もこのような新たな組み合わせの薬が発売されるかもしれません。