鹿児島県奄美地域の皆さまが安心して暮らせ、心の支えとなる病院を目指します。

更新日 2025.10.17

外科

 

診療科のご紹介

外来診療は、予約制となっているため、電話で外来受診日時の予約をお願いします。

 

(0997-52-3611 内線 3400)

初診・再診 月~金(手術のため水のみ一般外来は休診)
乳癌検診 火・金 14時~17時まで

診療体制

 当科では、消化器疾患(食道・胃・大腸・肝・胆・膵)を中心に、内分泌疾患(乳腺・甲状腺)など幅広い外科診療を行っています。急性腹症や腹部外傷などの緊急症例に対しても、24時間体制で迅速に対応できる診療体制を整えています。また、当科には日本外科学会および日本消化器外科学会の専門医・指導医が2名、日本消化器外科学会の専門医が1名在籍し、さらに日本内視鏡外科学会 技術認定医も1名配置されています。これにより、高度な消化器外科手術や内視鏡外科手術を専門的に提供できる体制が確立されています。
 患者さん一人ひとりに最適な治療を安全に提供できるよう、チーム医療と最新の知見を活かした外科診療を実践してまいります。

治療方針 

 当科では、胃がん・大腸がん・乳がん・甲状腺がんなどに対する治療を、各種がん治療ガイドラインに基づき標準的かつ適切に実施しています。また、食道がんや膵がん、肝がんといった高難度の症例については、鹿児島大学病院消化器外科の専門医師と連携し、協力体制のもとに治療を行うことで、安全性と治療成績の向上を図っています。

 ▶各病院・診療所.クリニックと連携を強化し、地域に根ざした外科医療を実現します。

 ▶腹腔鏡下手術や乳がん手術を専門的に行える体制を整えています。

 ▶急性腹症、ヘルニア、胆石、虫垂炎といった日常的な疾患から、化学療法,胃がん・
  大腸がん手術や高難度の肛門温存手術まで幅広く対応し、島外紹介による身体的・
  経済的負担を減らす「地域完結型総合外科」を目指します。

 ▶患者さん一人ひとりの病状に応じて、安心して受けられる最適な治療を提供し、
  地域住民の健康と安全に貢献します。

 

検討会について 

 当科の診療は、毎朝8時からの回診、入院患者カンファレンスで始まります。ここでは入院患者さんの病状や治療経過を共有し、最適な治療方針を多角的に検討・決定しています。また、毎週木曜日には消化器内科や放射線科の医師に加え、看護師、薬剤師、緩和ケア認定看護師など多職種が参加する合同症例検討会を行っています。医師のみならず多職種が意見を出し合うことで、より患者さんに寄り添った包括的な治療方針を立案できる体制を整えています。さらに、地域医療機関との合同カンファレンスも定期的に開催し、開業医や地域の病院と症例を共有することで、地域全体での医療水準向上と切れ目のない診療体制の構築に努めています。
 このように院内外の医療従事者が連携することで、地域完結型の外科医療を実現し、患者さんにとって最善で安心できる治療を提供する体制を築いています。

 

心臓血管外科外来について

毎月 1回  金曜日 (完全予約制)

 鹿児島大学心臓血管外科の専門医による外来診療を行っています。対象疾患は、大動脈瘤、下肢静脈瘤、閉塞性動脈硬化症などの血管疾患です。なお、閉塞性動脈硬化症に対するステント治療については、当院循環器内科と連携し、専門医による治療を行っています。

 大学病院と連携した高度専門診療を地域で受けられる体制を整えることで、患者さんが安心して治療に臨めるよう努めています。

 

乳腺外科外来について

毎月 1回 (完全予約制)

 鹿児島大学病院乳腺・甲状腺外科から乳腺専門医が来院し、外来診療を行っています。当科と緊密に連携しながら、乳癌の診断や治療方針の検討を専門的かつ丁寧に実施しています。地域にいながら大学病院と同水準の専門診療を受けられる体制を整え、患者さんに安心と信頼の医療を提供しています。

 

ストーマケア外来

毎週 火曜日 14:00から(完全予約制)

 ストーマをお持ちの方が、より快適で安心した日常生活を送れるようサポートする外来です。医師と**皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース)**が中心となって、外来・病棟スタッフが連携し、装具の選択やセルフケア指導、生活上の不安への対応など、専門的で質の高いケアを提供しています。

 

乳癌検診

毎週  火 ・ 金  14:00から(完全予約制)

 視触診、マンモグラフィー、超音波検査を行い、必要に応じて精密検査や治療へと円滑に繋げられる体制を整えています。

 

学会認定施設

(1)日本外科学会認定医制度修練施設
(2)日本消化器外科学会専門医修練施設
(3)地域がん診療連携拠点病院
(4)日本がん治療認定医機構認定研修施設
(5)日本消化器病学会認定施設
(6)日本乳癌学会関連施設

スタッフのご紹介

A1 院長兼医療安全管理室長 石神 純也

氏名 石神 純也 (いしがみ すみや)
役職 院長
所属学会

日本外科学会
日本消化器外科学会
日本臨床外科学会
日本胃癌学会
日本消化器病学会
日本腹部救急外科学会
日本乳癌学会

認定医・専門医

医学博士
がん治療認定医
日本外科学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本腹部救急外科学会 認定医

評議員・その他

日本消化器外科学会 評議員
日本臨床外科学会 評議員
日本消化器病学会九州支部例会 評議員
九州外科学会 評議員
日本腹部救急外科学会 評議員

*

外科 盛 真一郎

氏名 盛 真一郎 (もり しんいちろう)
役職 部長
所属学会

日本外科学会
日本消化器外科学会
日本臨床外科学会
日本大腸肛門病学会
日本内視鏡外科学会
日本ロボット外科学会
日本胃癌学会
Society of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons (SAGES) international member

認定医・専門医

医学博士
日本外科学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本ロボット外科学会 Robo-Doc Pilot,専門医
日本大腸肛門病学会 専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定医(指導医)
ロボット支援手術認定プロクター(指導医)
緩和ケア研修会 終了
Japanese Surgeon Educators Course 終了

評議員・その他

日本内視鏡外科学会 評議員
日本大腸肛門病学会 九州地方会 評議員
日本大腸検査学会 九州支部 幹事
日本単孔式内視鏡手術研究会 世話人

*

H4消化器外科部長 福田 皓佑

氏名 福田 皓佑 (ふくだ こうすけ)
役職 消化器外科部長
所属学会

日本外科学会
日本消化器外科学会
日本臨床外科学会
日本肝胆膵外科学会

認定医・専門医

医学博士
日本外科学会 専門医
日本消化器外科 専門医
緩和ケア研修会 終了

*

外科 上原 光平

氏名 上原 光平 (うえはら こうへい)
役職 医務技師
所属学会

日本外科学会
日本消化器外科学会

認定医・専門医

緩和ケア研修会 終了

*

外科 中尾 理央

氏名 中尾 理央 (なかお りお)
役職 医務技師
所属学会

日本外科学会
日本臨床外科学会
日本乳癌学会

認定医・専門医

日本乳がん検診精度管理機構
マンモグラフィー読影認定医
緩和ケア研修会 終了

*

外来担当表

       月       火      水      木       金
担当医 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後
石神 純也              
盛 真一郎               
福田 皓佑              
上原 光平                    
中尾 理央                    

  月・木曜日・金曜日の午後と水曜日の終日は手術になります。

 

外科の実績

 大島病院外科では、日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医を含む5名の外科医が在籍し、幅広い外科診療を担っています。主に胃がん・大腸がんを中心とした消化器癌に対する手術療法をはじめ、腸閉塞、腹部外傷、胆嚢炎、鼠径ヘルニア、虫垂炎などの消化器良性疾患、さらに乳腺・甲状腺疾患に対する手術療法も行っています。

 多くの消化器疾患においては、お腹を二酸化炭素で膨らませて手術操作を行う腹腔鏡手術(図1)を第一選択としており、緊急手術においても麻酔科の協力体制のもと腹腔鏡手術に対応可能な体制を整えています。また、消化器がん手術症例は多職種カンファレンスで治療方針を検討し、患者さん一人ひとりにとって最適で安全な治療を提供できる体制を整えています。

 図1

 以下当科で行なっている手術の特徴を疾患別に説明いたします。

<胃がん・大腸がん手術>

 当院には日本内視鏡外科学会の技術認定医が在籍しており、腹腔鏡手術(図1)を積極的に導入しています。腹腔鏡手術は、拡大視効果により出血が少なく精緻な手術が可能で、さらに傷が小さいため痛みも軽く、術後の回復が早いという利点があります。大きな腫瘍や遠隔転移が認められる場合には、抗がん剤や放射線治療を併用して腫瘍を縮小したうえで手術を行うこともあります。

 大腸がん治療では、病期や全身状態に応じて腹腔鏡手術を第一選択とし、下部直腸がんでは経肛門的内視鏡手術(図2)を組み合わせた肛門機能温存手術を導入しています。進行がんに対しては化学療法や放射線療法を組み合わせた集学的治療を実施しています。

 経肛門的内視鏡手術(図2)は、肛門に専用の器具を装着し、肛門側から直腸を切り離して剥離を進める新しい方法です。5人の外科医が2つのチームに分かれ、おなか側と肛門側から同時に手術を行うことで、直腸を切除し再びつなぎ合わせます。この方法により、従来よりも手術時間が1〜2時間短縮でき、患者さんの負担を軽くすることが可能になりました。肥満や男性の狭い骨盤、下部直腸がん、大きな腫瘍など腹腔鏡で困難な症例でも、がんをしっかり取り切る根治性を保ちながら、肛門機能の温存、肛門温存率の向上が期待されます。

図2

 胃がんの手術は、病変部を含む胃を切除し、十二指腸や空腸とつなぎ合わせをします(図3)。これまで開腹手術(図4)が基本でしたが、近年は小さな傷から手術を行う腹腔鏡手術(図5)が行われるようになってきました。当院でも、できるだけ体に負担の少ない腹腔鏡手術を中心に胃がん手術を行っています。進行胃がん症例では術前化学療法を施行してから手術を行うこともあります。

 図3

図45 

 また、進行消化器癌に対しては化学療法・放射線療法・化学放射線療法・緩和ケアを組み合わせた集学的治療を実践し、病気を小さくしたのちに手術で完全切除することを目指します。最近の薬物治療は進歩しており、切除不能であった進行がんが化学療法で切除可能となる場合もあります。図6、図7、図8は肝転移を伴う切除不能進行胃がんに対し化学療法を行い、肝転移の消失と腫瘍の著明な縮小を認めたため手術となった症例の内視鏡写真、CT検査所見、肝MRI検査所見です。

図6

図678

<腹腔鏡・内視鏡合同手術>

 内視鏡治療手技と腹腔鏡手術手技を組み合わせ、必要最小限の切除範囲で腫瘍を切除する新しい手術方法です。胃カメラで胃の内側から腫瘍の切除範囲を正確に見極め(図9)、腹腔鏡手術を用いて最小限の胃切除(図10)を行うことがでるため、より正確でより安全な患者さんに優しい治療手技となることが特徴です。

図910改

<肝胆膵がん手術>

 肝胆膵がんの外科治療については、鹿児島大学病院消化器外科の専門医師と連携を取って治療方針を決定しています。

<胆のう炎・胆石症手術>

 急な腹痛や発熱で発症する急性胆嚢炎に対して、早めの手術を行うことと治療経過が良いことがわかってきました。当科では、腹腔鏡下胆のう摘出術が標準治療で,年間50-60例行っています。手術後 5-7 日で退院できます。胆管炎や総胆管結石は消化器内科の先生に内視鏡的に治療を行っていただいています。

<虫垂炎手術>

 急性虫垂炎に対しては,腹腔鏡下虫垂切除術を行います。手術後 3-5 日で退院が可能です。虫垂膿瘍や周囲に炎症が波及しているひどい虫垂炎に対しては、まず抗生剤で炎症を落ち着けてから3-4か月後に手術を行う場合があります。慢性的に痛みが続く虫垂炎や,虫垂炎かどうか迷う病気の場合でも腹腔鏡でおなか全体を診察し,確実に診断・治療することができます。

<鼡径ヘルニア(脱腸)手術>

 鼠径ヘルニアは、鼠径部の筋肉が弱くなった部分から、腹膜と内臓の一部が、皮下に脱出してしまう病気です。鼠径ヘルニア手術は、その筋肉の弱い腹壁の部分に医療用のメッシュシートをあてて、補強する手術です。従来は鼠径部を4-5cmほど切開して治療を行っていましたが、腹腔鏡手術(図11)により小さな傷でメッシュシートを使用しヘルニアを補強する手術がきるようになりました。年間50例程度行っています。手術時間は2時間くらいで、4-5 日で退院ができます。

 図11

<乳がん・甲状腺がんの手術>

 当科では、最新の治療ガイドラインに基づき、標準的かつ安全な治療を行っています。乳がんに対しては、根治を目的とした乳房切除術(図12)や、腋のリンパ節をできるだけ温存するセンチネルリンパ節生検を実施しています。必要に応じて、再発予防のために抗がん剤治療や放射線治療を組み合わせることもあります。治療方針は、月1回鹿児島大学病院乳腺外科の専門医と協力して検討し、最適な方法を選択しています。年間では約20例の手術を行っており、地域に根ざした安心できる乳がん・甲状腺がん治療を提供しています。

 図12改

         

<手術不能・再発がんの治療> 

 がん疾患の手術後の治療・検査を定期的に行なっています。がんの再発や切除不能進行がんに対しては、治療ガイドラインに準じて適切な化学療法や放射線治療を行います。7床の外来化学療法室も整備され、在宅、通院での抗がん剤治療も可能です。


 全国規模の医師指導型臨床治験に積極的に参加し、常に最新の治療を提供できる体制を整えております。


 局所再発に対する放射線治療や、直腸がんの肛門温存を目指した術前化学放射線療法、すい臓がんや食道癌に対する術前の放射線化学療法、肝細胞癌に対する動注療法など集学的治療を当院の放射線科や消化器内科の先生と一緒に行っています。

<急性腹症対する手術>

 腸閉塞や腸壊死,腹部外傷,腸管の穿孔など直ちに外科治療を要する疾患を迅速に対応しています。ドクターヘリが導入され,各離島からも多くの患者さんを受け入れています。

<小児外科疾患>

 月に1回,鹿児島大学小児外科教室および久留米大学小児外科教室から応援をいただき,鼡径ヘルニアや停留精巣,虫垂炎などの小児外科手術を行っています。小児外科特有の疾患については鹿児島大学病院小児外科と連携を取って対応いたします。

 

下表に2024年度の手術件数のまとめを示します。全手術件数は382件でした。 

           疾患    治療       症例数      腹腔鏡手術  
 胃がん、胃粘膜下腫瘍 胃切除  14 13
 結腸がん 結腸切除 41 35
 直腸がん 直腸切除 9 9
 乳がん 切除 26 --
 虫垂炎 切除 21 21
 小腸・レイウス 解除・切除 15 4
 結腸癌 直腸癌 切除 吻合 70 40
 人工肛門 造設・閉鎖 19 8
 肛門疾患手術 切除 18 --
   鼠径 瘢痕ヘルニア 修復術 44 32
 胆石 胆嚢炎 胆摘 58 50
 腹膜炎 腹膜炎手術 31 1
 甲状腺 副甲状腺 切除  4 --
 CVポート 留置術  34 --
 その他   48 --
 合  計   382 173
 

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